2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

墓所と庭、科学と藝術

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, FUJICOLOR SUPERIA X-TRA 400 @Paris 繰り返し繰り返し、頭の中に現れてくるセリフがある。 この庭にあるもの以外に 次の世に伝える価値のあるものを 人間は造れなかったのだ 中学生くらいだったろうか、初めて「風の谷の…

はじめに写真ありき、後悔しないカメラの選び方

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, FUJICOLOR 100 @Paris 後輩:先輩!先輩!! 先輩:なんだ、うるさいぞ。 後輩:先輩、オススメのカメラを教えてください! 先輩:そんなものはない。あるのはただ、撮りたいという情熱と、それを実行する撮影者がいるだ…

Ektarの色合い、記録以上の記憶

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, KODAK EKTAR 100 @Toyama Ektarの発色が好きだ。もともと、写真にしても絵画にしても、はっきりした色合い、コントラストのものが好み。フィルムに求めるのは、現実の精密なコピーではなくて、現実以上の描写。目で見た以…

セリフォス島でのバカンス

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, FUJICOLOR PROVIA 100F @Serifos オススメの場所は、地元の人に聞く。これは、旅行する際には、世界どこでも通用する法則だ。 ギリシャの島々の中でも、比較的マイナーな島であるセリフォス島を旅行先に選んだのは、同僚…

絵画の写真

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, FUJICOLOR SUPERIA X-TRA 400 @Vienna 一時期、絵画の写真を積極的に撮ってみたことがある。が、これが恐ろしくつまらない写真になるのだ。もちろん、これはその絵画がつまらないわけでは決してない。いわゆる名画と言わ…

研究者の書くエッセイあるいはコラム

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, FUJICOLOR SUPERIA X-TRA 400 @Paris 科学者の仕事を真に理解するには、その科学者が書いた論文を読む以外に、方法はない。けれども、その論文は、当然科学者に向けて書かれているから、読み下すにはかなりの知識と経験が…

たゆたえども沈まず

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, T-MAX 100 @Paris Fluctuat nec mergitur. このカッコいいフレーズを聞いたのは、悲しい事件のせいだった。違う文化で育ち、違う価値観をもち、違う宗教を持っている日本人からしたら、事件や犯人やその背景に関して、簡…

空気を写すレンズ、それとも思い込み?

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, FUJICOLOR SUPERIA X-TRA 400 @Paris ZeissやLeicaのレンズは、その高い描写力、表現力で「空気まで写る」といわれる。もちろん、いいレンズであるのは間違いないのだろう。確かに、LeicaのSummicron f = 5cm 1:2で撮った…

見返らない美人

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, KODAK EKTAR 100 @Kyoto 後ろ姿の写真が好きだ。正面を向いているよりも、想像力を喚起させられるからだろうか。あるいは、撮影者と被写体が同じ方向を向いてるせいで、より前向きな、ポジティブな印象を受けるせいだろう…

遠くにありて想う

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, KODAK EKTAR 100 @Toyama 離れているからこそ、離れたからこそわかる美しさがある。例えば星。あるいは月。よく考えたら、どちらも間近で見たことがないから、これは不適切な例えだけれども。 文化的な美しさも、その一例…

研究室の選び方、あるいは悩める後輩に送るメール

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, FUJICOLOR SUPERIA X-TRA 400 @Paris 生命科学系博士課程進学に悩む後輩に、かつて送ったメールが発掘されたので、ここに公開しておく。もう随分前に書いたことだけれども、今でも参考になる点があるかもしれない。現在在…

シンプルに、シンプルに。

Leica IIIa, Summicron f = 5cm 1:2, TRI-X 400 @Fondation Louis Vuitton 世界は、放っておくと、どんどん複雑に、どんどん乱雑になりたがる。せめて、自分の周囲くらいは、シンプルに保ちたい。だから、カメラは、機械式で、マニュアルで。写真は、フィル…

ネットにもガイドブックにも頼らないレストランの探し方

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, KODAK EKTAR 100 @Ebisu ちょっと前までは、旅行にはガイドブックが必須だった。今は、その大部分がネットに取って代わられている。旅行前には、どちらにも大いに役立つけれども、いざ旅行をしている時は、ガイドブックを…

覗き穴

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, FUJICOLOR SUPERIA X-TRA 400 @Lyon 覗き穴のある作品はずるい。人の性として、どうしても覗いてしまう。このオノ・ヨーコの作品「Freight Train」は、中を覗くことがメインの作品ではない。それでも、音と光がどこから来…

フレーム、あるいは切り取るということ

Leica IIIa, Summicron f = 5cm 1:2, 45color 400 @Home 不思議に思っていることがある。仕事場には、ちょうど正方形の窓があるのだけれども、それを通して外の風景を眺めると、とても綺麗だ。年代物の建物のすぐ後ろに、背の高い近代的なビルがあって、晴れ…

幻視幻惑の巴里

Leica IIIa, Summicron f = 5cm 1:2, TRI-X 400 @Paris パリは、画になる街だ。どうということのない街角でさえ、何かを訴えかけるものがある。写真が生まれ、Brassaïが、Cartier-Bressonが、Doisneauがいたこの街でシャッターを切れば、その何かが写る。

感動する食事、サントリーニ島のレストラン

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, FUJICOLOR PROVIA 100F @Oia ミシュラン三つ星の基準は「それを味わうために旅行する価値がある卓越した料理」だ。サントリーニ島のイアという街にあるレストラン、Oia Vineyartには、まさにそんな価値の料理がある(もち…

早朝の車内にて

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, TRI-X 400 @Paris 素敵なお題を見つけたので、早速便乗してみる。 自分の前に、窓に寄り添うように寝ている男性(だと思う)がいて、他には誰もいない車内で、その雰囲気を切り取りたくて、シャッターを切った。 一眼レフ…

日常を切り取る

Leica IIIa, Summicron f = 5cm 1:2, TRI-X 400 @Home ライカ、あるいはフィルム写真、さらに言えば、黒白フィルムのすごいところは、こんなに適当に撮った写真でも、なんとなく素敵に見えてしまうところ。この写真、よく見れば(よく見なくとも?)、構図は…

© 2016 SAKAI Hiroshi