Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, FUJICOLOR SUPERIA X-TRA 400 @Paris
生命科学系博士課程進学に悩む後輩に、かつて送ったメールが発掘されたので、ここに公開しておく。もう随分前に書いたことだけれども、今でも参考になる点があるかもしれない。現在在籍している大学、あるいは大学院修士課程から、違う大学院の博士課程に進むこと場合を想定している。
ラボ訪問に際して
訪問前に
- ネットで調べられる情報(論文数、最近の科研費獲得金額、メンバー、進学実績など)は前もって調べる。
- 論文数はPubMedで。
-
科研費はここで科学研究費助成事業データベース。
- 論文数は、教授ないしボス(principal investigator, PI)が論文の責任著者(corresponding author)になっているものを重視する。中途半端な位置にPIの名前が入っている論文は、実績としては参考程度にする。
- 大学院生が学振をとっているかチェック。ラボがウェブサイトを持っていれば、誰が取っているか書いてあることが多い。
- ちょっと面倒だけども、学振のサイトから探すこともできる。
- メンバーはあまり多過ぎないほうがよい。大所帯ラボは、ボスとの関係が希薄になるし、指導も受けにくい。最も生産的なラボの人数は10人から15人という研究結果がある。あるいは、25人以上だと生産性が低下する、という研究結果もある。
訪問中に
- 可能であるなら、ラボのゼミの日に合わせて訪問する。全ての研究内容がわからなくとも、そのラボの雰囲気を感じられる。
- 大学院生の進学、就職先を聞く。特に、PhD取得後一般企業に就職したいのであれば、就職実績のある研究室を優先する(修士と博士は全く別物なので、修士の就職先はあてにならない)。
- PI以外のメンバー(准教授、助教、ポスドク、大学院生など)と話す。PIとは違った視点でアドバイスをもらえるはず。
訪問後に
- 迷ったら、東大、京大にしておくというは、ある意味アリ。大学院生へのサポート、研究環境等は、ラボ単体では準備できないから、大きな組織の下にいるほうが得ではある。
- それでも、結局はPI、ラボの力が重要なので、そこは間違えないように気をつける。
- どこにいっても英語は必要なので、英語だけは日々勉強しておく。
- 英語の勉強の参考になったサイトは、次の二つ。
97冊から選りすぐり→外国語学習の成功者たちがやったことまとめ 読書猿Classic: between / beyond readers
ラボ訪問用の質問票
ついでに、自分が作ったラボ訪問用の質問表も、参考までに載せておく。これを持って色々なラボに回ったが、真面目だねー、とよく笑われた。
入学前
- 去年の入学あるいは入室の倍率は?
- 過去問は入手できるのか?
- 入室できる可能性は?学内からどのくらい?学外からどのくらい?
- 現在の研究室の人数と、出身学部の比率は?他大学出身者の人数は?
- もし入学するとなれば、入学前に勉強してもらいたい科目は何か?
入学後
- 具体的な研究生活はどのようになるか?
- ゼミあるいは勉強会のようなものがあるか?
- 入室してから、どのようなテーマを与えられるのか?
- 大きなテーマがいくつかあるが、少しずつ関与するのか?それとも1つのテーマに絞られるのか?
- 卒業するまでに、論文を平均何本書くのか?具体的なジャーナル名は?
- 学会やその他の場で発表する、あるいは参加する機会があるのか?具体的な学会名は?
- TAやその他のバイトがあるのか?奨学金等の経済支援は受けられるか?
- 大学院の講義はどのくらいあるのか?
卒業後
- 具体的な進路、就職先は(企業、研究所、大学、病院、ポスドク、留学など)?