はじめに写真ありき、後悔しないカメラの選び方

Crowd of people

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, FUJICOLOR 100 @Paris

後輩:先輩!先輩!!

 

先輩:なんだ、うるさいぞ。

 

後輩:先輩、オススメのカメラを教えてください!

 

先輩:そんなものはない。あるのはただ、撮りたいという情熱と、それを実行する撮影者がいるだけだ。

 

後輩:そういう、メンドくさい哲学的なことはいいので、具体的なことを教えてください。

 

先輩:ならば、周りの詳しい人に聞け。あるいはグーグルで調べろ。

 

後輩:先輩しか知り合いがいないんです!あと、グーグルで検索しても、結局色々おすすめが出てくるばかりで、よくわかんないです。

 

先輩:ふむ、お前は何がしたいのか、自分でもわかっていないタイプだな。どうしてカメラが欲しいんだ?

 

後輩:それは当然、女の子にモテるゲフンゲフン、かっこいい写真が撮りたいからです!

 

先輩:よろしい、動機は十分だ。ちなみに、モテるやつはモテるからモテるのであって、カメラを始めてモテるやつは、カメラを始めなくてもモテる。そこを勘違いしないように。

 

後輩:ぐぬぬ。

 

先輩:カメラを選ぶのに、写真から入るというのは、ものすごく合理的だ。結局、カメラを使って何をするかというと、写真を撮るわけだから、最終結果である写真を見て、その写真を撮ったカメラを選ぶ、というのは失敗が少ないだろう。もし、自分で思い通りの写真が撮れなくとも、それはカメラのせいではない。自分の腕のせいだとわかる。

 

後輩:なるほど!

 

先輩:逆に言えば、撮りたい写真、撮りたいイメージがなくては、カメラも選びようがない。自分はどんな写真が好きか、どんな写真に感銘を受けたのか、それをしっかり知ることが第一歩だ。

 

後輩:自分がどんな写真が好きなのか、言葉にして説明するのは難しいです。

 

先輩:言葉はいらない。ある写真をみて、自分の中で何かピンとくればいい。面白いとか、綺麗とか、怖いとかでも良い。とにかく写真を見ることだ。写真がそれなりにたくさんあって、カメラの情報もしっかりしていて、なおかつ買おうと思えばすぐ買える、そんなサイトがある。ここだ。

 

[PY] フォトヨドバシ | ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン |

 

後輩:って、ヨドバシカメラのサイトじゃないですか。僕はビックカメラ派なんです。

 

先輩:トップページにずらっと写真が並んでいて、その写真を撮ったレンズなりカメラなりのデータが載っている。はじめは、カメラの名前やレンズは気にしなくていい。とにかく、自分が好きな写真を探して探して、集めるところからだ。サイトの左側にも、各社の製品に行けるリンクがある。これも、会社を気にせず適当にリンクを押して、とにかく好きな写真を集めるのだ。

 

似たようなサイトがここにもある。ここでも同じように写真を巡って、とにかく自分の趣味嗜好を、実際の写真で確認するのだ。

 

マップカメラ | KASYAPA |

 

後輩:集めました!このライカっていうのが、かっこいい写真が多くて気に入りました!

 

先輩:ほう、いきなりそこに行ってしまったか。あとは価格と相談だ。頑張れ。

 

後輩:なんですかこの値段…。車買えますよ?

 

先輩:それでも安い方だ。昔のライカは家が買える値段だった。

 

後輩:写真は貴族の遊びなんですか?庶民はスマホで観光地巡りをするしかないのですか?

 

先輩:最近のスマホは馬鹿にできないぞ。その辺のコンパクトデジタルカメラに負けないくらいの写真が撮れるようになってきた。お前のスマホでどんな写真が撮れるのか、手っ取り早く確認できるサイトがある。ここだ。

www.flickr.com

後輩:フリッカー?英語じゃないですか。日本語のサイトはないんですか?

 

先輩:安心しろ、さっきも言ったが、目的は写真を見ることだ。写真は言語を超える。どこの人が、どの時代に、どこで、どんなカメラで撮っていても、その写真を見ることはできる。ページの一番上にある検索バーに、自分が使っているスマホの名前を入れてみろ。

 

後輩:「iPhone6」っと。おおー!これ、全部iPhone6で撮った写真なんですか!?こんな綺麗な写真、僕のでは撮れません!初期不良ですね!

 

先輩:落ち着け。今のはキーワード検索だから、例えば、iPhone「で」撮った写真ではなく、iPhone「を」撮った写真なんかも出てきてしまう。次の一手が必要だ。気に入った写真をクリックしてみろ。

 

後輩:この海岸の写真がすごく良いです。ぽち。

 

先輩:すると、その写真の下に、撮影者やコメントなんかが出てくる。さらにだ、デジカメで撮影された写真であれば、どんなカメラでどんなレンズで、どんな条件で撮ったかも一目了然なのだ。この写真は、Apple iPhone 6、f/2.2、4.2mm、1/542、iso32だな。

 

後輩:数学?呪文?なんかのおまじないですか?

 

先輩:それは後々学べば良い。でだ、このApple iPhone 6のところがリンクになっている。それを押してみろ。

 

後輩:ぽち。おおー、綺麗な写真がたくさん!やっぱり僕のは初期不良ですね!

 

先輩:このページに並んでいる写真は、基本的にiPhone 6で撮った写真のはずだ。まあ、iPhoneで撮っていても、撮影後に加工している可能性もあるがな。

 

後輩:これ、もしかして、同じことを別のカメラで検索してもできるんですか?

 

先輩:よく気がついた。さらに言えば、見てみたい写真をキーワードにして検索するのがいい。black and white だとか、Tokyoだとか、Dogでも、なんでも良い。そこからさらにどんどんとリンクを辿れば、自分の好きな写真を知ることができるだろう。そこまでいけば、もう俺が教えることは何もない。あとはひたすら、自分の好きな写真を探し、カメラを買って、レンズも買って、SNSに投稿すれば、素敵なカメラライフの始まりだ。

 

後輩:でも、flickrは英語なんで、使い方がよくわかりません。

 

先輩:そこはググれ、と言いたいところだか、ここにリンクを貼っておこう。日本語で、Flickrの使い方を丁寧に説明してくれている。

flickr.no-tsukaikata.com

後輩:ありがとうございます!

 

先輩:カメラ、レンズ、そして写真の道は広く深い。一度立ち入ってしまうと、二度と戻れない。俗にいう、「沼」というやつだな。まあ、その沼にハマるのが楽しくてやっている、というのもあるが。

 

(この記事は、以下の記事に多大なインスピレーションを受けて、パクリとも言える文体で執筆致しました。読書猿さん、いつも最高の記事、ありがとうございます)

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