Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, KODAK EKTAR 100 @Kyoto
初めてきちんと使ったカメラは、幸運にも、Nikon Fだった。
昔から、写真やカメラには囲まれていた環境だったけれども、不思議とそれらに惹かれることはなかった。最初に、写真ではなく、カメラそのものに興味を持ったのは、遠回りというか、ちょっと違う角度からで、機械式時計というものを知ったからだった。つまり、電気を使わないで動くという時計がある、というのが新鮮で、そこから機械式というものを調べているうちに、電気を使わないで撮れるカメラがある、ということを知った。*1
その時、ふと、実家に古いカメラがあることを思い出した。実家に帰ったときに確かめてみると、思った通り、機械式のNikon Fだった。長いこと使っていなかったせいで、残念ながらレンズはカビで全滅していたが、本体の方はなんとか無事で、自腹を切って修理した。これこそが機械式のいいところだし、興味を持った点だ。理論上は、アンティキティラ島の機械のように、2000年後でも直せるだろう。
早速、撮影しに出かけたけども、フィルムがうまく装填できていなくて、一枚も撮れていなかったという失敗をしつつ、機械式カメラの手触り、操作感、没入感にハマっていくことになる。
モノとの出会いは運だろうけども、このカメラとの出会いは、本当に幸運であったと思う。
*1:そもそも、電気を使わない時計やカメラの方が歴史が長いのだが、そこは置いておく。