写真乾板のスキャン、時をかける記録

以前のエントリーでオススメした写真スポットの一つ、パリの有名蚤の市の一つであるヴァンヴ(Vanves)で、古い写真乾板を手に入れた。15枚入りで25ユーロと言われ、少々渋っていると、20ユーロまでまけてくれた。が、今思うと、15ユーロくらいまで値切れたように思う。まあ、勉強代ということにしておきたい。

以前、アレモコレモさんが日本で撮影された写真乾板のスキャン画像をあげていたけれども、今回手に入れたのは、おそらくフランスで撮影されたものだろう。

aremo-koremo.hatenablog.com

乾板のサイズは9 x 12 cmなので、大陸手札判と言われるサイズだ。Wikipediaによれば、その名の通り、ヨーロッパで広く使用されたサイズであるらしい。大判フィルムの一つである4x5が、だいたい10 x 12.5 cmなので、ほぼ同じサイズだ。

写真乾板 - Wikipedia

購入した箱には、1931年の日付が入った切手が貼られていたけども、そもそもこれがオリジナルの箱なのかどうかはわからないので、厳密な年代の特定は難しそうだ。以下の写真で、ファッション等でわかる人がいたら、是非教えてもらいたい。

スキャンは、パリで日本語の通じるカメラ店として有名なフォトピラミッド(Photo Pyramides)さんにお願いした。ちなみに今まで撮影したフィルムは全てここで現像、スキャンを頼んでいる。ネガなら一日で現像してくれるので、パリ旅行中に撮影したフィルムを現像して持って帰ることもできるだろう。

Labo Photo Paris numerique Tirages numeriques Agrandissement Photo numerique, photo pyramides

 

では、今回スキャンした中、7枚を紹介したいと思う。

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家族写真。左から、妻、子供1、夫、祖母、子供2、そして一番右はお手伝いさんであろうか?裕福そうな家庭に見える。

 

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スコップとバケツを持って遊ぶ子供達と、やはりお手伝いさんか?

 

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一枚目とおそらく同じ家族であろうが、メンバーが増えている。もしこの写真の撮影年が1931年だとすれば、ここに映っている3人の子供は、まだご存命の可能性がある。中央柱の上部に、行き先案内板のようなものが付いていて、文字が書かれているのだけれども、読めない。しかも左右反転している。

 

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子供たちだけの写真。先の写真の被写体とは違う子供たちに見える。左から二番目の少女はボートの模型を、右から二番目の少年はオールらしきものを持っているので、川遊び、あるいは海遊びの記念写真か?

 

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花冠を被った少女と、それを後ろから見る少年。個人邸宅の庭で撮影か?

 

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おもちゃの馬車?で遊ぶ少女と母親か?右下でブレているのはおそらく犬だろう。この写真乾板が最も鮮明で、少女の足元を拡大するとカモやうさぎ?の人形が見えるし、犬の足元にも象の人形がくっきりと映っている。母親の足元にも、乳母車に乗った人形が見える。

 

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少女のコスプレ写真?あるいは何かの記念写真か?なんとなく軍服風味の格好。腰に巻いているのは拳銃あるいは短剣用のホルダーか?

 

最後にカラー化したものを何枚か。これもアレモコレモさんが使っていたサイトと同じサイトを使用してカラー化してみた。

Automatic Image Colorization・白黒画像の自動色付け

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緑が入ると、急に生き生きとした写真になる。

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何気ない写真でも、時を超えて見ると、不思議と面白く感じられる。自分が撮ったフィルム写真も、100年後の誰かに楽しんで貰えたらな、と思う。

© 2016 SAKAI Hiroshi