白黒で撮るパリ、オススメの黒白フィルム

Rue de l'École de Médecine

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, ILFORD XP2 SUPER@Paris

現在のパリの街並みは、19世紀の大規模な都市改造で作られた。その指揮をとった当時の県知事であるジョルジュ・オスマン(Georges Eugène Haussmann)の名前から、travaux haussmanniensとも呼ばれる。現在も多く残る当時の建物は、オスマニアン様式あるいはオスマニアン建築(haussmannien)と呼ばれ、パリのアパルトマンを代表する外観、様式になっている。

そういった歴史ある街並みであるせいか、パリの写真は白黒がよく似合う。街並みが変わらないせいで、現在の写真でも、白黒で撮影すると、いつの時代なのかパッと判別できないような写真も撮れる。もっとも、街ゆく人の服装や、道路の標識、あるいは店舗の外観や、道路を走る車のせいで、なかなかそういう写真は撮れないけれども。

ところで、この写真はILFORD XP2 SUPERで撮影した。このフィルムは黒白フィルムであるにもかかわらず、カラー現像機で(C-41)現像できる。初めて聞いた時には、なんだか邪道な気がして、ずっと使ってこなかったのだけれども、今回、その考えを改めた。

Jardin du Luxembourg

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, ILFORD XP2 SUPER@Paris

なんと表現すれば良いのか、解像度がものすごい高いわけでは無いのだけれども、例えば上の写真のように、ディテールが潰れることなく、存在感を残したまま、それでいて不自然さの無い絵が撮れるフィルムだ。今まで、Tri-X、T-MAX100、FP4 PLUSと使ってきたが、ここまで迫る雰囲気のある写真を撮れなかった。

LE MUSÉE RODIN - MEUDON

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, ILFORD XP2 SUPER@Meudon

これはロダンの彫刻の一つだけれども、この写真にも、まるでそこにあるかのような豊かな立体感と存在感を感じる。まあ、フィルムではなくロダンの腕が良い、ということもあるが。ちなみに、ロダン美術館は、パリ市内にあるものが有名だが、パリ郊外のMeudonムードンという所にもある。こちらの美術館は、もともとロダンの邸宅兼アトリエで、当時の雰囲気を残しながら多くの作品が展示されていて、オススメである

Un carrousel

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, ILFORD XP2 SUPER@Paris

このメリーゴーランドの写真もお気に入りだ。構図は少々悪いが、キラキラとした細部を過不足なく写しているように感じる。

もし、みなさんの中でも、撮らず嫌いで試していない方がいたら、ぜひ一度お試しあれ(と言って最後にアフェリエイトを貼るのは、ちょっと胡散臭いかもしれない…)

イルフォード XP2 スーパー 135 36枚撮り

イルフォード XP2 スーパー 135 36枚撮り

 
© 2016 SAKAI Hiroshi