ミノルタオートコードCDS、新しいメンバー

An expectant mother

Minolta Autocord, Rokkor 75mm F3.5, ILFORD FP4 PULS

今の職場には、自分も含めて、写真・カメラを趣味している同僚が4人もいる。そのうち二人がデジカメ派、二人がフィルム派だ。面白いことに、フィルムもデジタルも両方使っている人が誰もいない。きっちり分かれている。

そんなフィルム派の同僚から、もうほとんど使わないからとミノルタ・オートコードを貸してもらった。ついでに、ずいぶん前に消費期限が切れている中判フィルムも、数本譲り受けた。

思いがけず、国産最高峰の二眼レフカメラを使うチャンスが来たわけだ。しかも、タイミングがいいことに、最も身近なところに良い被写体がいた。

ピントスクリーンに映し出された映像は、ポジフィルムと並んで、直接見てもらう以外に感動の伝えようのない美しさだ。のぞいているだけで、まるで映画を見ているような気分になれる。シャッターを切らずに、ただただ色々なものにピントを合わせて遊んでしまう。

ファインダーで見える像が左右逆なので、フレーミングにかなり戸惑った。これで動くものを撮影するのは、かなり技術がいるだろう。おまけに、ストラップがないので、水平を取るのも難儀だ。借り物の大事なカメラを落とすまいと、妙に力んでしまう。

撮影枚数は、わずが12枚。それでも、取り終わるのに3ヶ月ほどかかってしまった。

出来上がった写真のほとんどはピンボケだったけれども、そんな中でも満足いく写真が必ず数枚あるのが、フィルムのいいところだと信じている。

新しい家族を、このカメラで撮るのはなかなか難しそうだけれども、しっかりフィルムに残しておこうと思う。

© 2016 SAKAI Hiroshi