Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, KODAK EKTAR 100 @Prague (Praha)
新年早々、嬉しいニュースが飛び込んできた。なんと、コダックがエクタクロームEktachromeの生産、販売を再開するというのだ。2017年1月5日のラスべカスで行われていたCES (Consumer Electronics Show)で発表された。
オリジナルプレスリリース(英文)
Kodak Brings Back a Classic with EKTACHROME Film | CES 2017 Press Release | Kodak
日本語のプレスリリース
ニュース等
フィルム、特にポジフィルムは化学製品の塊で、一度工場を閉めてしまうと、その複雑さから再開するのは非常に大変だと聞いていた。このEktachromeも、もしやOEM?と勘ぐってしまったが、どうやら違うようで安心した。上記のTimeの記事によると、ニューヨーク州ロチェスターにあるKodakの工場を、この一年をかけて復活させるそうだ。
コダックのポートフォリオ・マネージャーのDiane Carroll-Yacoby氏によると、「黒白やネガフィルムとは違って、ポジは非常に独特のフィルムだ。再生産することは、我々にとっても非常に困難なプロジェクトだが、カスタマーの声に応えるために、再開を決定した。」(上記timeの記事の要約拙訳)
Kodak Alarisが言うには、ここ数年、プロフェッショナル向けのフィルムの販売数は上昇しているそう。復活させて欲しいと言う声も、ここ数年、高まっていたようだ。
オリジナルのフィルムが生産中止になったのは、2012年のこと。フィルムで写真を撮り始めた時には、すでに生産中止になっていて、試す機会がなかったのだけれども、ポジフィルムの話題になると必ず名前が上がるような、名フィルムであったようだ。本物のポジをのぞいたことがないので、Flickr等で見た感想になってしまうが、Fujiのポジに比べて、淡い色合いのフィルムという印象を受ける。
このデジタルコピー全盛期にもかかわらず、ポジフィルムの原盤は、デジタルで再現するのが最も難しいものの一つだろう。反射光と透過光で見るのでは、たとえ同じ色でも、全く違う印象を受けるのだから、これはある意味で当然だ。それはつまり、オリジナルのフィルムがまだまだ価値を持つということでもある。どこかで誰かが言っていたけども、この関係性は、ステンドグラスとその写真のようなもので、どんなに頑張って綺麗なステンドグラスの写真を撮っても、実物にはかなわない。そんな唯一無二の作品が撮れるフィルムが復活するのだ。
2017年も、どんどんフィルムを使って、盛り上げていきたい。