現時点で手に入る、大判フィルム(シートフィルム)のまとめ

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2017年10月時点で手に入る、大判フィルム(シートフィルム)の一覧を作ってみた。

以前につくった、35mmフィルムのまとめはこちら。

www.sakaihiroshi.com

大判フィルムはまだ一度も使ったことがない上に、そもそも大判カメラも持っていない状態で、こんなまとめを作るなと叱られそうだけども、カメラを購入する前に、どんなフィルムがあるのかを調べておけば、いざ買ったカメラに対応するフィルムがほとんどない、という事態は避けられるのではという目論見だ。

どういったカメラで、どういった写真を取りたいのかが重要なので、並べる順番は、サイズ順にした。

Amazonで取り扱いがあれば、なるべくAmazonへのリンクを貼ったが、製品の性質上、ほぼ取り扱いがないので、海外の通販サイトへのリンクも多く貼った。

以下の目次を見てもらうとわかるように、大判フィルムも、中判あるいは35mmフィルムに負けないくらい豊富な商品が揃っている。

9x12 cm

日本ではあまりなじみのないサイズだが、ヨーロッパで広く使われた写真乾板のサイズで、大陸手札判と呼ばれている。その流れか、ヨーロッパのフィルム会社では、今でもこのサイズのフィルムが意外と充実している。残念ながら、日本ではほとんど取り扱いがないようだが、FOTOIMPEXというドイツの会社が多く取り扱っている。お届け先(Shipping to ...)のところにJapanとあるので、日本への発送も受け付けているようだ。支払いは、Paypalかクレジットカードでできる模様。

ADOX アッドクス

CHS 100 II/25 Sheets

www.fotoimpex.de

FOMA フォマ

Fomapan 100/50 Sheets

www.fotoimpex.de

Fomapan 200/50 Sheets

www.fotoimpex.de

Fomapan 400/50 Sheets

www.fotoimpex.de

Retropan 320 Soft/50 Sheets

www.fotoimpex.de

ILFORD イルフォード

Delta 100 Planfilm/25 Sheets

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FP4/25 Sheets

www.fotoimpex.de

HP5/25 Sheets

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4x5 インチ

シノゴと呼ばれる、もっともメジャーなサイズの大判フィルム。富士フィルムもこのサイズを扱っているので、日本でも手に入りやすい。35mm判でメジャーなフィルム会社は、軒並みこのサイズを扱っている。

ADOX アドックス

CMS 20 II/50 Sheets

www.silversalt.jp

CHS 100 II/25 Sheets

www.silversalt.jp

BERGGER ベルゲール

Pancro 400/25 Sheets

www.silversalt.jp

FOMA フォマ

Fomapan 100/25 Sheets

www.silversalt.jp

Fomapan 200/50 Sheets

www.silversalt.jp

Fomapan 400/50 Sheets

www.silversalt.jp

Retropan 320/25 Sheets

www.silversalt.jp

Fuji 富士フィルム

ネオパン 100 ACROS/20 Sheets

FUJIFILM 黒白ネガフイルム ネオパン 100 ACROS シート 20枚 CUT ACROS100 NP 4X5 20
 

フジクローム PROVIA 100F/20 Sheets

フジクローム Velvia 50/20 Sheets

ILFORD イルフォード

Ilford Delta 100

Ilford FP4

Ilford HP5

ILFORD HP5 PLUS モノクロフィルム 4x5インチ 25枚

ILFORD HP5 PLUS モノクロフィルム 4x5インチ 25枚

 

KODAK コダック

Ektar 100

Porta 160

Porta 400

T-Max 100

T-Max 400

TRI-X 320

ROLLEI ローライ

Infrared 400

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Ortho 25 Plus

www.silversalt.jp

RPX 25

www.silversalt.jp

RPX 400

www.silversalt.jp

WASHI 和紙

WASHI 25

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5x7 インチ

ゴシチあるいはゴナナとも呼ばれる。次に紹介する13x18 cmとほぼ同じだが、ほんの少し小さい。4x5、そして8x10に次ぐメジャーなサイズである。日本のいくつかのサイトで取り扱いがある。

ADOX アドックス

CHS 100 II

www.fotoimpex.de

BERGGER ベルゲール

PANCRO 400

cura-3i.com

FOMA フォマ

Fomapan 100

www.silversalt.jp

Fomapan 200

www.silversalt.jp

Fomapan 400

www.silversalt.jp

Retropan 320

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ILFORD イルフォード

FP4

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HP5

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ROLLEI ローライ

Ortho 25 Plus

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13x18 cm

上で紹介した5x7とほぼ同じサイズだが、わずかに大きい。カメラによっては、どちらでも使える。写真乾板の大キャビネ判と呼ばれるサイズと同じ。日本では印画紙としてこのサイズの取り扱いがあるようだが、フィルムを扱っているサイトを見つけられなかった。

ADOX アドックス

CHS 100 II

www.fotoimpex.de

BERGGER ベルゲール

PANCRO 400

www.fotoimpex.de

FOMA フォマ

Fomapan 100

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ILFORD イルフォード

Delta 100

www.fotoimpex.de

FP4

www.fotoimpex.de

18x24 cm

次に紹介する8x10よりはわずかに小さいが、かなり大型。残念ながら、日本ではほぼ取り扱いがない。あるアンティークカメラを買おうと思っていたところ、聞いたことのないこのサイズだったため、購入を見送ったのだが、後から調べてみるとまだ現役のサイズのようだ。ちなみに、生命科学の分野でお馴染みのウェスタンブロッティング方で使うフィルムサイズでもある。

ADOX アドックス

CHS 100 II

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FOMA フォマ

Fomapan 100

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ILFORD イルフォード

FP4

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8x10 インチ

市販品の(特注品ではない)フィルムでは最大のサイズ。A4用紙よりも一回り小さいくらい。4x5に続きメジャーなサイズで、黒白からカラーネガ、カラーポジまで豊富なラインナップを誇る。Silversaltさんは流石の品揃え。値段も最大で、おいそれとは撮影できない感じ。

ADOX アドックス

CHS 100 II

www.silversalt.jp

BERGGER ベルゲール

PANCRO 400

www.silversalt.jp

FOMA フォマ

Fomapan 100

www.silversalt.jp

Fomapan 200

www.silversalt.jp

Fomapan 400

www.silversalt.jp

Retropan 320

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FOTOIMPEX フォトインペックス

Orthochromatic 25

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FUJI 富士フィルム

ACROS 100

http://www.yodobashi.com/product/100000001001704239/

Provia 100F

http://www.yodobashi.com/product/100000001001704230/

Velvia 50

Velvia 100

Velvia 100F

http://www.yodobashi.com/product/100000001001237407/

ILFORD イルフォード

Delta 100

www.fotoimpex.de

FP4

イルフォード FP4PLUS 8X10 25

イルフォード FP4PLUS 8X10 25

 

HP5

イルフォード HP5 8×10-25

イルフォード HP5 8×10-25

 

KODAK コダック

Porta 160

Kodak Portra 160C 8 x 10

Kodak Portra 160C 8 x 10" Color Film 10 Sheet Box [並行輸入品]

 

Porta 400

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T-Max 100

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T-Max 400

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ROLLEI ローライ

Ortho 25 Plus

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WASHI 和紙

WASHI 25

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白黒で撮るパリ、オススメの黒白フィルム

Rue de l'École de Médecine

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, ILFORD XP2 SUPER@Paris

現在のパリの街並みは、19世紀の大規模な都市改造で作られた。その指揮をとった当時の県知事であるジョルジュ・オスマン(Georges Eugène Haussmann)の名前から、travaux haussmanniensとも呼ばれる。現在も多く残る当時の建物は、オスマニアン様式あるいはオスマニアン建築(haussmannien)と呼ばれ、パリのアパルトマンを代表する外観、様式になっている。

そういった歴史ある街並みであるせいか、パリの写真は白黒がよく似合う。街並みが変わらないせいで、現在の写真でも、白黒で撮影すると、いつの時代なのかパッと判別できないような写真も撮れる。もっとも、街ゆく人の服装や、道路の標識、あるいは店舗の外観や、道路を走る車のせいで、なかなかそういう写真は撮れないけれども。

ところで、この写真はILFORD XP2 SUPERで撮影した。このフィルムは黒白フィルムであるにもかかわらず、カラー現像機で(C-41)現像できる。初めて聞いた時には、なんだか邪道な気がして、ずっと使ってこなかったのだけれども、今回、その考えを改めた。

Jardin du Luxembourg

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, ILFORD XP2 SUPER@Paris

なんと表現すれば良いのか、解像度がものすごい高いわけでは無いのだけれども、例えば上の写真のように、ディテールが潰れることなく、存在感を残したまま、それでいて不自然さの無い絵が撮れるフィルムだ。今まで、Tri-X、T-MAX100、FP4 PLUSと使ってきたが、ここまで迫る雰囲気のある写真を撮れなかった。

LE MUSÉE RODIN - MEUDON

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, ILFORD XP2 SUPER@Meudon

これはロダンの彫刻の一つだけれども、この写真にも、まるでそこにあるかのような豊かな立体感と存在感を感じる。まあ、フィルムではなくロダンの腕が良い、ということもあるが。ちなみに、ロダン美術館は、パリ市内にあるものが有名だが、パリ郊外のMeudonムードンという所にもある。こちらの美術館は、もともとロダンの邸宅兼アトリエで、当時の雰囲気を残しながら多くの作品が展示されていて、オススメである

Un carrousel

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, ILFORD XP2 SUPER@Paris

このメリーゴーランドの写真もお気に入りだ。構図は少々悪いが、キラキラとした細部を過不足なく写しているように感じる。

もし、みなさんの中でも、撮らず嫌いで試していない方がいたら、ぜひ一度お試しあれ(と言って最後にアフェリエイトを貼るのは、ちょっと胡散臭いかもしれない…)

イルフォード XP2 スーパー 135 36枚撮り

イルフォード XP2 スーパー 135 36枚撮り

 

ビエーブル国際カメラ市、アンティークカメラのディープな世界

パリ南部のビエーブル市で行われる、フランスあるいはヨーロッパ最大とも言えるカメラ市に行ってきた。

Foire internationale de la photo - Bièvres - 3 et 4 juin 2017

今年で54回目を数える歴史あるマーケットで、パリのみならず、フランス全土、さらにはヨーロッパ中から人が集まる。

2017年は6月3日と4日に開催されたが、土曜日はあまり天気に恵まれず、逆に日曜日は晴天の中での開催となった。

会場はビエーブル市役所に隣接する広場で、およそ200店が出店していた。出店者はプロ、アマ問われないようで、本格的なブースを持ったお店から、芝生の上にただ並べるだけ、というお店まで多種多様だ。

売っているものは、ガラクタ同然のカメラから、見たこともないようなアンティークカメラまで、まさしく選り取り見取り、何も買わなくても見ているだけで楽しい。普段、全くカメラに興味がない人でも、古風なものが好き、アンティークが好きな人であれば、きっと楽しめる。

百聞は一見にしかず、いくつか写真を紹介しよう。今回の記事に限り、写真はiPhoneである。最新デジタル機器であるiPhoneで、古い古い祖先にあたるアンティークカメラを撮影していると、時代の流れを感じられて感慨深い。

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怒涛のアンティークカメラ。サイズ的に、ほとんど大判カメラだろうけども、カメラというよりも箱に近い。

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その隣に並ぶレンズたち。一見して古いものとわかるが、使い方もカメラへの装着の仕方もわからない。

f:id:sakaihiroshi:20170608035627j:plainブラック&シルバーのカメラ達の中にポツンと混じっている、金のLeica。特別仕様なのか、あるいは誰かの個人的改造なのか、正直に言って、趣味が悪い。

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バルナックライカ専門店。値段は比較的リーズナブルか?

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フォールディングカメラあるいはスプリングカメラ達。安いものは50ユーロくらいから売っていたが、あまり安いと光が漏れているのではと疑ってしまう。後ろに2眼カメラも見える。

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Nikon F登場までは、新聞カメラマンの中で圧倒的シェアを誇ったSpeed Graphic。実はこれを買おうと目論んでいたのだが、会場全体で2台しか見つからず、1台は状態が悪く(この写真)、1台はあまりに高い値段がついていたので、結局買わずじまいだった。

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幻灯機。ものによっては写真の時代以前のものだろうか。

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イヌも参加できる。

この他にも、映写機、オリジナル改造カメラ、フィルタやフラッシュ等のアクセサリ、レフ板、三脚などなど、多くの中古商品が手に入る。もちろん、中古のデジタルカメラやレンズも買えるが、それはわざわざここで買わなくとも良いものだろう。狙うはやはりアンティークあるいはクラシックカメラである。

最後に、パリからビエーブルの駅までの行き方を書き残しておきたい。いくつか行き方はあるが、空港あるいはその近辺から行くと仮定して、RER B線とRER C線を使うとわかりやすい。

まず、シャルル・ド・ゴール空港の最寄りCharles-de-Gaulle、あるいはオルリー空港の最寄駅であるAntonyから、RER B線でSaint-Rémy-lès-Chevreuse行きに乗る。RER B線は途中、二股に分かれるので、Robinson行きに乗ってしまうと、別の方角に向かってしまうので注意したい。

Massy-Palaiseauという駅で、RER C線に乗り換える。この駅はTGVも止まるかなり大きい駅だが、駅のつくりはシンプルで、行き先案内板も大きく表示してあるので迷わず乗り換えられる。

Massy-Palaiseauからは3方向に列車が向かっているが、Versailles Chantiers行きの列車に乗る。この列車がなんと一時間に一本しかないのだが、のんびり待つ。すると、いつの間にかホームにはカメラ愛好家達が集まってくる。

降りる駅は二駅先のBièvres。駅から会場までは迷うことはない。なぜなら、降りる人のほとんどが会場に向かうので、集団の後を追っていけば、自然と会場に着くからだ。

会場の周りにはレストランもカフェもパン屋もあるので、散策に疲れたら一休みできる。屋台も何軒か出ているし、芝生もあるので、外で食べるのもおすすめだ。

カメラ好きであれば、このマーケットに参加するために旅行する価値がある素敵なカメラ市だった。

写真乾板のスキャン、時をかける記録

以前のエントリーでオススメした写真スポットの一つ、パリの有名蚤の市の一つであるヴァンヴ(Vanves)で、古い写真乾板を手に入れた。15枚入りで25ユーロと言われ、少々渋っていると、20ユーロまでまけてくれた。が、今思うと、15ユーロくらいまで値切れたように思う。まあ、勉強代ということにしておきたい。

以前、アレモコレモさんが日本で撮影された写真乾板のスキャン画像をあげていたけれども、今回手に入れたのは、おそらくフランスで撮影されたものだろう。

aremo-koremo.hatenablog.com

乾板のサイズは9 x 12 cmなので、大陸手札判と言われるサイズだ。Wikipediaによれば、その名の通り、ヨーロッパで広く使用されたサイズであるらしい。大判フィルムの一つである4x5が、だいたい10 x 12.5 cmなので、ほぼ同じサイズだ。

写真乾板 - Wikipedia

購入した箱には、1931年の日付が入った切手が貼られていたけども、そもそもこれがオリジナルの箱なのかどうかはわからないので、厳密な年代の特定は難しそうだ。以下の写真で、ファッション等でわかる人がいたら、是非教えてもらいたい。

スキャンは、パリで日本語の通じるカメラ店として有名なフォトピラミッド(Photo Pyramides)さんにお願いした。ちなみに今まで撮影したフィルムは全てここで現像、スキャンを頼んでいる。ネガなら一日で現像してくれるので、パリ旅行中に撮影したフィルムを現像して持って帰ることもできるだろう。

Labo Photo Paris numerique Tirages numeriques Agrandissement Photo numerique, photo pyramides

 

では、今回スキャンした中、7枚を紹介したいと思う。

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家族写真。左から、妻、子供1、夫、祖母、子供2、そして一番右はお手伝いさんであろうか?裕福そうな家庭に見える。

 

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スコップとバケツを持って遊ぶ子供達と、やはりお手伝いさんか?

 

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一枚目とおそらく同じ家族であろうが、メンバーが増えている。もしこの写真の撮影年が1931年だとすれば、ここに映っている3人の子供は、まだご存命の可能性がある。中央柱の上部に、行き先案内板のようなものが付いていて、文字が書かれているのだけれども、読めない。しかも左右反転している。

 

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子供たちだけの写真。先の写真の被写体とは違う子供たちに見える。左から二番目の少女はボートの模型を、右から二番目の少年はオールらしきものを持っているので、川遊び、あるいは海遊びの記念写真か?

 

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花冠を被った少女と、それを後ろから見る少年。個人邸宅の庭で撮影か?

 

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おもちゃの馬車?で遊ぶ少女と母親か?右下でブレているのはおそらく犬だろう。この写真乾板が最も鮮明で、少女の足元を拡大するとカモやうさぎ?の人形が見えるし、犬の足元にも象の人形がくっきりと映っている。母親の足元にも、乳母車に乗った人形が見える。

 

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少女のコスプレ写真?あるいは何かの記念写真か?なんとなく軍服風味の格好。腰に巻いているのは拳銃あるいは短剣用のホルダーか?

 

最後にカラー化したものを何枚か。これもアレモコレモさんが使っていたサイトと同じサイトを使用してカラー化してみた。

Automatic Image Colorization・白黒画像の自動色付け

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緑が入ると、急に生き生きとした写真になる。

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何気ない写真でも、時を超えて見ると、不思議と面白く感じられる。自分が撮ったフィルム写真も、100年後の誰かに楽しんで貰えたらな、と思う。

Flickrのススメ、オススメのフォトグラファ3人

No Bicycles, OK Dogs

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, KODAK EKTAR 100 

写真を誰かに見てもらいたのならば、そして誰かの写真を見たいのならば、Flickrをお勧めする。

写真を共有するためのウェブサービスは、メジャーなものだけでもInstagram、Flickr、Tumblr、Pinterestと多くの選択肢があるが、その中でも、「写真を鑑賞する」という点では、Flickrが一番良いと感じている。

というのは、例えばInstagramは、Twitterと似たようなコンセプトを持っていて、写真をじっくりと見るというよりも、今、この瞬間に気になった写真を撮って、エフェクトをかけて、投稿して、と、その流れを楽しむというサービスだ。

それに対してFlickrは、オリジナルの写真をアップロードして、タグ付けやグループに投稿することで、より多くの人に見てもらえるようになっている。気になるフォトグラファの過去の投稿にも簡単に遡れるし、キーワード検索やタグ検索で、自分が見たい写真を簡単に見つけ出すことができる。

この機能のおかげか、ずいぶん前に投稿した自分の写真も、ずっとview数が増え続けているし、時折Faveをもらうこともある。

唯一の欠点は、未だに日本語化されていないところだろう。Wikipediaによると、英語、中国語(繁体)、フランス語、ドイツ語、インドネシア語、イタリア語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語に対応しているにもかかわらず、なぜか日本語はない。

といっても、ウェブサービスに慣れている人で、簡単な英語がわかるならば、それほどハードルは高くない。

以前も紹介したけども、日本語で丁寧に使い方を説明したサイト、その名も「Flickrの使い方」というサイトもあるので、英語が苦手でも始められる。

flickr.no-tsukaikata.com

細かい始め方の説明は、上記のサイトに譲るとして、ここではフォローしているオススメの3人のストリートフォトグラファを紹介したいと思う。

 

Junichi Hakoyama

黒と白、光と陰、巨大な空間と直線あるいは幾何学模様、階段と壁とタイル、そこに浮かび上がる一人のシルエット。一言で言うと、かっこいい。大きなくくりで言えば、この写真もストリートフォトグラフィになると思うのだけれども、明らかに一線を画す写真たちだ。

 

Max Gor

そういった表現が正しいのかわからないけども、「正統派」のストリートフォトグラファ。黒白をメインに、時にカラーで、主にロンドンの人々を生き生きと描いている。8万人以上のフォロワがいるのだが、彼はプロのフォトグラファではないそうだ。

 

tokyo_llama

主に東京でストリートフォトを撮影している。ストリートフォトは、見慣れない外国、あるいは外国人が写っているからかっこいい、と思っていたところにこの写真を見て、考えを改めた。撮影者は外国人かと思ったら、どうやら日本の方のようだ。

 

みなさんのオススメFlickrフォトグラファがいたら、ぜひご紹介ください。

ブルックリンミュージアムのマネークリップ、綺麗な薄い財布

Kiss

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, FUJICOLOR 100 @Paris

はてなブログ、あるいは、はてなブックマークを見ていると、なぜか定期的に「薄い財布」の話題が上がってくる。みなさん、それぞれこだわりがあるようで、ついつい読んでしまう。

薄い財布は、持ち物を最小限にできて、かさ張ることもなく便利だ。今、使っている財布は、ブルックリンミュージアムのマネークリップ。

ブルックリン ミュージアム / マネークリップ

機能は本当に最小限で、お札を挟むクリップと、切符なんかを挟める小さなスリット、それにカード入れが三段あるだけ。小銭入れはない。

小銭入れがないと、不便に感じるかもしれないと危惧していたが、いざ使い始めると、なくても事足りる。むしろ、小銭を持ち歩かなくなって、自販機でものを買うことがほとんどなくなり、節約にすらなっている。

カード入れも、そんなに多くは入らないので、必然的に、日常生活に必要なカードを厳選することになる。今は、ID、保険証、定期券、クレジットカード、よく行くお店のポイントカード2種の、合計6枚だけ。各段に2枚づつだ。

使われている革は、フレンチカーフというもので、これがビビットでかつ上品な非常に美しい色の革だ。どの製品も、革の色とステッチの色が違っていて、綺麗なコントラストになっている。使っていると、「綺麗だね」「可愛い!」「エロい」などなど、色々とコメントをもらった(財布にエロいというのは、どういう意味だろう)。

昔は、東京駅そばの新丸ビルに店舗が入っていて、東京駅に行くたびに、ちょっとのぞいて行くのが楽しみだったのだけれども、今は青山本店だけのようだ。

写真からも革の美しさを見て取れるけども、やはり実物を見て欲しい(ポジフィルムのように)。新品の美しさ、それと使い込んで色が変化したもの、両方見せてもらえると思う。

フレンチカーフは、経年劣化に強いと言われているけども、どうしても色はくすんできてしまう。でも、汚くなるというよりも、より落ち着いた色になる、という印象だ。もうすでに3年以上使っているけども、みすぼらしい感じはしない。

すごく良いモノだけれども、あまり流行って欲しくもない、でも、その良さを伝えたい、そんなブランドだ。

コダック、エクタクロームの復活、ポジフィルムの美しさ

V sign

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, KODAK EKTAR 100 @Prague (Praha)

新年早々、嬉しいニュースが飛び込んできた。なんと、コダックがエクタクロームEktachromeの生産、販売を再開するというのだ。2017年1月5日のラスべカスで行われていたCES (Consumer Electronics Show)で発表された。

 

オリジナルプレスリリース(英文)

Kodak Brings Back a Classic with EKTACHROME Film | CES 2017 Press Release | Kodak

 

日本語のプレスリリース

コダック、エクタクローム フィルムでクラシックを復活させる

 

ニュース等

 

フィルム、特にポジフィルムは化学製品の塊で、一度工場を閉めてしまうと、その複雑さから再開するのは非常に大変だと聞いていた。このEktachromeも、もしやOEM?と勘ぐってしまったが、どうやら違うようで安心した。上記のTimeの記事によると、ニューヨーク州ロチェスターにあるKodakの工場を、この一年をかけて復活させるそうだ。

コダックのポートフォリオ・マネージャーのDiane Carroll-Yacoby氏によると、「黒白やネガフィルムとは違って、ポジは非常に独特のフィルムだ。再生産することは、我々にとっても非常に困難なプロジェクトだが、カスタマーの声に応えるために、再開を決定した。」(上記timeの記事の要約拙訳)

Kodak Alarisが言うには、ここ数年、プロフェッショナル向けのフィルムの販売数は上昇しているそう。復活させて欲しいと言う声も、ここ数年、高まっていたようだ。

オリジナルのフィルムが生産中止になったのは、2012年のこと。フィルムで写真を撮り始めた時には、すでに生産中止になっていて、試す機会がなかったのだけれども、ポジフィルムの話題になると必ず名前が上がるような、名フィルムであったようだ。本物のポジをのぞいたことがないので、Flickr等で見た感想になってしまうが、Fujiのポジに比べて、淡い色合いのフィルムという印象を受ける。

このデジタルコピー全盛期にもかかわらず、ポジフィルムの原盤は、デジタルで再現するのが最も難しいものの一つだろう。反射光と透過光で見るのでは、たとえ同じ色でも、全く違う印象を受けるのだから、これはある意味で当然だ。それはつまり、オリジナルのフィルムがまだまだ価値を持つということでもある。どこかで誰かが言っていたけども、この関係性は、ステンドグラスとその写真のようなもので、どんなに頑張って綺麗なステンドグラスの写真を撮っても、実物にはかなわない。そんな唯一無二の作品が撮れるフィルムが復活するのだ。

2017年も、どんどんフィルムを使って、盛り上げていきたい。

お題「やっぱりフィルム写真が好き!」

© 2016 SAKAI Hiroshi