2017年ベストショット、一年を振り返る

Allons nous promener

Leica IIIa, Summicron f = 5cm 1:2, KODAK EKTAR 100

みなさん、ベストショットを公開されているようなので、自分も公開してみる。

改めて振り返ってみると、今年はなんとフィルム4本しか撮っていない。ILFORD FP4 PLUS、ILFORD XP2 SUPER、中判のILFORD FP4 PULS、そしてKODAK EKTAR 100の4本。フィルムのコマに直すと、わずか118枚。

最後のEKTARは、ほぼ6ヶ月かけて撮り切ったので、上半期は月に平均13枚、下半期はなんと月に平均6枚という、写真を趣味にしているとは言えないほどの、超スローペースだ。

でも、不思議なことに、一枚一枚の満足度は上がっているように感じる。別段、腕が上がったとは思えないし、機材を新しくしたわけでもない。シャッターを切る機会を、意図的に少なくしたわけでもない。

それでも、36枚撮れば、少なくとも数枚のお気に入りが出来上がってくる。一本を撮るのに数ヶ月もかけると、シャッターを切ったのを忘れていたような場面もあって、逆に写真を見てその時の心境を振り返ることもある。

もしかして、この時間差こそが、満足度を上げているか、とも思う。その場で写真を確認できない、強制的に数週間から数ヶ月待たされるという時間で、自分の心境なり目なりが熟されるのだろう。

子供が生まれてからは、被写体を子供ばかりにはするまいと考えていたが、フィルムを見返してみると、やはり子供の写真は多い。その中でも、この一枚は、このところ挑戦していた「スケール感」を出すという構図と、プライベートすぎない家族の写真、というのがうまく組み合わさって、満足のいく写真になった。

一年にたった一枚しか撮らなくても、満足いく写真になる、そんな写真ライフを目指したい。

© 2016 SAKAI Hiroshi