ビエーブル国際カメラ市、アンティークカメラのディープな世界

パリ南部のビエーブル市で行われる、フランスあるいはヨーロッパ最大とも言えるカメラ市に行ってきた。

Foire internationale de la photo - Bièvres - 3 et 4 juin 2017

今年で54回目を数える歴史あるマーケットで、パリのみならず、フランス全土、さらにはヨーロッパ中から人が集まる。

2017年は6月3日と4日に開催されたが、土曜日はあまり天気に恵まれず、逆に日曜日は晴天の中での開催となった。

会場はビエーブル市役所に隣接する広場で、およそ200店が出店していた。出店者はプロ、アマ問われないようで、本格的なブースを持ったお店から、芝生の上にただ並べるだけ、というお店まで多種多様だ。

売っているものは、ガラクタ同然のカメラから、見たこともないようなアンティークカメラまで、まさしく選り取り見取り、何も買わなくても見ているだけで楽しい。普段、全くカメラに興味がない人でも、古風なものが好き、アンティークが好きな人であれば、きっと楽しめる。

百聞は一見にしかず、いくつか写真を紹介しよう。今回の記事に限り、写真はiPhoneである。最新デジタル機器であるiPhoneで、古い古い祖先にあたるアンティークカメラを撮影していると、時代の流れを感じられて感慨深い。

f:id:sakaihiroshi:20170608035528j:plain

怒涛のアンティークカメラ。サイズ的に、ほとんど大判カメラだろうけども、カメラというよりも箱に近い。

f:id:sakaihiroshi:20170608035557j:plain

その隣に並ぶレンズたち。一見して古いものとわかるが、使い方もカメラへの装着の仕方もわからない。

f:id:sakaihiroshi:20170608035627j:plainブラック&シルバーのカメラ達の中にポツンと混じっている、金のLeica。特別仕様なのか、あるいは誰かの個人的改造なのか、正直に言って、趣味が悪い。

f:id:sakaihiroshi:20170608035702j:plain

バルナックライカ専門店。値段は比較的リーズナブルか?

f:id:sakaihiroshi:20170608035750j:plain

フォールディングカメラあるいはスプリングカメラ達。安いものは50ユーロくらいから売っていたが、あまり安いと光が漏れているのではと疑ってしまう。後ろに2眼カメラも見える。

f:id:sakaihiroshi:20170608035825j:plain

Nikon F登場までは、新聞カメラマンの中で圧倒的シェアを誇ったSpeed Graphic。実はこれを買おうと目論んでいたのだが、会場全体で2台しか見つからず、1台は状態が悪く(この写真)、1台はあまりに高い値段がついていたので、結局買わずじまいだった。

f:id:sakaihiroshi:20170608035858j:plain

幻灯機。ものによっては写真の時代以前のものだろうか。

f:id:sakaihiroshi:20170608035933j:plain

イヌも参加できる。

この他にも、映写機、オリジナル改造カメラ、フィルタやフラッシュ等のアクセサリ、レフ板、三脚などなど、多くの中古商品が手に入る。もちろん、中古のデジタルカメラやレンズも買えるが、それはわざわざここで買わなくとも良いものだろう。狙うはやはりアンティークあるいはクラシックカメラである。

最後に、パリからビエーブルの駅までの行き方を書き残しておきたい。いくつか行き方はあるが、空港あるいはその近辺から行くと仮定して、RER B線とRER C線を使うとわかりやすい。

まず、シャルル・ド・ゴール空港の最寄りCharles-de-Gaulle、あるいはオルリー空港の最寄駅であるAntonyから、RER B線でSaint-Rémy-lès-Chevreuse行きに乗る。RER B線は途中、二股に分かれるので、Robinson行きに乗ってしまうと、別の方角に向かってしまうので注意したい。

Massy-Palaiseauという駅で、RER C線に乗り換える。この駅はTGVも止まるかなり大きい駅だが、駅のつくりはシンプルで、行き先案内板も大きく表示してあるので迷わず乗り換えられる。

Massy-Palaiseauからは3方向に列車が向かっているが、Versailles Chantiers行きの列車に乗る。この列車がなんと一時間に一本しかないのだが、のんびり待つ。すると、いつの間にかホームにはカメラ愛好家達が集まってくる。

降りる駅は二駅先のBièvres。駅から会場までは迷うことはない。なぜなら、降りる人のほとんどが会場に向かうので、集団の後を追っていけば、自然と会場に着くからだ。

会場の周りにはレストランもカフェもパン屋もあるので、散策に疲れたら一休みできる。屋台も何軒か出ているし、芝生もあるので、外で食べるのもおすすめだ。

カメラ好きであれば、このマーケットに参加するために旅行する価値がある素敵なカメラ市だった。

写真乾板のスキャン、時をかける記録

以前のエントリーでオススメした写真スポットの一つ、パリの有名蚤の市の一つであるヴァンヴ(Vanves)で、古い写真乾板を手に入れた。15枚入りで25ユーロと言われ、少々渋っていると、20ユーロまでまけてくれた。が、今思うと、15ユーロくらいまで値切れたように思う。まあ、勉強代ということにしておきたい。

以前、アレモコレモさんが日本で撮影された写真乾板のスキャン画像をあげていたけれども、今回手に入れたのは、おそらくフランスで撮影されたものだろう。

aremo-koremo.hatenablog.com

乾板のサイズは9 x 12 cmなので、大陸手札判と言われるサイズだ。Wikipediaによれば、その名の通り、ヨーロッパで広く使用されたサイズであるらしい。大判フィルムの一つである4x5が、だいたい10 x 12.5 cmなので、ほぼ同じサイズだ。

写真乾板 - Wikipedia

購入した箱には、1931年の日付が入った切手が貼られていたけども、そもそもこれがオリジナルの箱なのかどうかはわからないので、厳密な年代の特定は難しそうだ。以下の写真で、ファッション等でわかる人がいたら、是非教えてもらいたい。

スキャンは、パリで日本語の通じるカメラ店として有名なフォトピラミッド(Photo Pyramides)さんにお願いした。ちなみに今まで撮影したフィルムは全てここで現像、スキャンを頼んでいる。ネガなら一日で現像してくれるので、パリ旅行中に撮影したフィルムを現像して持って帰ることもできるだろう。

Labo Photo Paris numerique Tirages numeriques Agrandissement Photo numerique, photo pyramides

 

では、今回スキャンした中、7枚を紹介したいと思う。

f:id:sakaihiroshi:20170416024619j:plain

家族写真。左から、妻、子供1、夫、祖母、子供2、そして一番右はお手伝いさんであろうか?裕福そうな家庭に見える。

 

f:id:sakaihiroshi:20170416024830j:plain

スコップとバケツを持って遊ぶ子供達と、やはりお手伝いさんか?

 

f:id:sakaihiroshi:20170416025038j:plain

一枚目とおそらく同じ家族であろうが、メンバーが増えている。もしこの写真の撮影年が1931年だとすれば、ここに映っている3人の子供は、まだご存命の可能性がある。中央柱の上部に、行き先案内板のようなものが付いていて、文字が書かれているのだけれども、読めない。しかも左右反転している。

 

f:id:sakaihiroshi:20170416025418j:plain

子供たちだけの写真。先の写真の被写体とは違う子供たちに見える。左から二番目の少女はボートの模型を、右から二番目の少年はオールらしきものを持っているので、川遊び、あるいは海遊びの記念写真か?

 

f:id:sakaihiroshi:20170416025936j:plain

花冠を被った少女と、それを後ろから見る少年。個人邸宅の庭で撮影か?

 

f:id:sakaihiroshi:20170416030117j:plain

おもちゃの馬車?で遊ぶ少女と母親か?右下でブレているのはおそらく犬だろう。この写真乾板が最も鮮明で、少女の足元を拡大するとカモやうさぎ?の人形が見えるし、犬の足元にも象の人形がくっきりと映っている。母親の足元にも、乳母車に乗った人形が見える。

 

f:id:sakaihiroshi:20170416030652j:plain

少女のコスプレ写真?あるいは何かの記念写真か?なんとなく軍服風味の格好。腰に巻いているのは拳銃あるいは短剣用のホルダーか?

 

最後にカラー化したものを何枚か。これもアレモコレモさんが使っていたサイトと同じサイトを使用してカラー化してみた。

Automatic Image Colorization・白黒画像の自動色付け

f:id:sakaihiroshi:20170416032915j:plain

f:id:sakaihiroshi:20170416032934j:plain

緑が入ると、急に生き生きとした写真になる。

f:id:sakaihiroshi:20170416033007j:plain

f:id:sakaihiroshi:20170416033029j:plain

何気ない写真でも、時を超えて見ると、不思議と面白く感じられる。自分が撮ったフィルム写真も、100年後の誰かに楽しんで貰えたらな、と思う。

パリのおすすめ?写真スポット7選

以前も似たような記事を書いたけども、パリはどこを撮ってもそれなりに絵になってしまう。写真の上達、という意味ではあまりよろしくないけども、撮って楽しむ、という点では非常に良い。

今、改めてフォルダを見返してみると、意外とパリらしい写真を撮っていなかったことに気がつく。ポストカードのような写真を撮りたくない(撮るなら、プロが撮ったものを買ったほうが良い)というような、変な意地のせいもある。

なので、ここでは、ポストカードにはなりそうもないパリの風景を、簡単な紹介と共に、7点あげたい。

バスティーユ広場(Place de la Bastille)

Bastille

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, FUJICOLOR SUPERIA X-TRA 400

フランス革命の始まり、バスティーユ襲撃の舞台となったバスティーユ監獄の跡地の広場。今はそんな物騒な雰囲気はない。

ヴォージラール通り(Rue de Vaugirard)

Corridor

Leica IIIa, Summicron f = 5cm 1:2, ILFORD FP4 PLUS

パリの通りは全て名前が付いているのだけれども、その中で最も長い通り。全長4,3kmに及ぶ。リュクサンブール公園(Jardin du Luxembourg)の北側を走る部分は、こういった回廊が並走している。

ポンピドゥー・センター(Centre Pompidou)

Pompidou

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, FUJICOLOR SUPERIA X-TRA 400

美術館を中心とした総合文化施設。まるで建設途中のようなその外観は、賛否両論ある。暖かくなってくると、館の前でピクニック?をしている人がたくさんいる。下はコンクリートだから、あまり座り心地はいいとは思えないのだけれども、きっとパリ流なのだろう。

ヴァンヴ蚤の市(Brocante à Vanves)

Vanves

Leica IIIa, Summicron f = 5cm 1:2, TRI-X 400

パリでは毎週のようにアンティーク市、蚤の市が開かれている。ここヴァンヴの市はガイドブックにも載っている有名市で、比較的こじんまりしているけども、多くの素敵なアンティークたちに会える。来ているお客さんも、古いものに興味があるせいか、Leicaを下げて歩いているとよく声をかけられる。

ボン・マルシェ(Le Bon Marché)

f:id:sakaihiroshi:20170319223327j:plain

Leica IIIa, Summicron f = 5cm 1:2, ILFORD FP4 PLUS

世界最初の百貨店と言われている。ちょっと前に改装されたので、あまりクラシックな雰囲気はないけれども、他の有名百貨店に比べると観光客の数も少なく、地元の人が多く来ている印象。本館と食料品館に別れていて、食料品館はワインやチーズ、あるいは缶詰などのグルメお土産を買うのに最適だ。

マドレーヌ寺院(Église de la Madeleine)

f:id:sakaihiroshi:20170319223847j:plain

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, KODAK EKTAR 100

一見すると、教会というよりも、ローマやギリシャの神殿のような外観。教会のほとんどは、普段、正面玄関にあたる巨大な扉を閉めているのだけれども、何かのイベントの際には大開にされることがある。お正月コンサートの際に、振り返ってみると、コンコルド広場(Place de la Concorde)のオベリスクまでまっすぐに見通せるようになっていた。

シェイクスピア・アンド・カンパニー書店(Shakespeare and Company)

f:id:sakaihiroshi:20170319225244j:plain

Leica IIIa, Summicron f = 5cm 1:2, ILFORD FP4 PLUS

英語書籍の専門店。本好き、本屋好きにはたまらない内装になっている。一階が書店、二階が閲覧室(図書室)で、猫もいる。本屋の隣にはカフェが併設されていて、少々お高いが、買った本を持ち込んで、のんびりとカフェを楽しめる。時にはピースサインをしてくれるパリジェンヌに会えるかもしれない。

Flickrのススメ、オススメのフォトグラファ3人

No Bicycles, OK Dogs

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, KODAK EKTAR 100 

写真を誰かに見てもらいたのならば、そして誰かの写真を見たいのならば、Flickrをお勧めする。

写真を共有するためのウェブサービスは、メジャーなものだけでもInstagram、Flickr、Tumblr、Pinterestと多くの選択肢があるが、その中でも、「写真を鑑賞する」という点では、Flickrが一番良いと感じている。

というのは、例えばInstagramは、Twitterと似たようなコンセプトを持っていて、写真をじっくりと見るというよりも、今、この瞬間に気になった写真を撮って、エフェクトをかけて、投稿して、と、その流れを楽しむというサービスだ。

それに対してFlickrは、オリジナルの写真をアップロードして、タグ付けやグループに投稿することで、より多くの人に見てもらえるようになっている。気になるフォトグラファの過去の投稿にも簡単に遡れるし、キーワード検索やタグ検索で、自分が見たい写真を簡単に見つけ出すことができる。

この機能のおかげか、ずいぶん前に投稿した自分の写真も、ずっとview数が増え続けているし、時折Faveをもらうこともある。

唯一の欠点は、未だに日本語化されていないところだろう。Wikipediaによると、英語、中国語(繁体)、フランス語、ドイツ語、インドネシア語、イタリア語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語に対応しているにもかかわらず、なぜか日本語はない。

といっても、ウェブサービスに慣れている人で、簡単な英語がわかるならば、それほどハードルは高くない。

以前も紹介したけども、日本語で丁寧に使い方を説明したサイト、その名も「Flickrの使い方」というサイトもあるので、英語が苦手でも始められる。

flickr.no-tsukaikata.com

細かい始め方の説明は、上記のサイトに譲るとして、ここではフォローしているオススメの3人のストリートフォトグラファを紹介したいと思う。

 

Junichi Hakoyama

黒と白、光と陰、巨大な空間と直線あるいは幾何学模様、階段と壁とタイル、そこに浮かび上がる一人のシルエット。一言で言うと、かっこいい。大きなくくりで言えば、この写真もストリートフォトグラフィになると思うのだけれども、明らかに一線を画す写真たちだ。

 

Max Gor

そういった表現が正しいのかわからないけども、「正統派」のストリートフォトグラファ。黒白をメインに、時にカラーで、主にロンドンの人々を生き生きと描いている。8万人以上のフォロワがいるのだが、彼はプロのフォトグラファではないそうだ。

 

tokyo_llama

主に東京でストリートフォトを撮影している。ストリートフォトは、見慣れない外国、あるいは外国人が写っているからかっこいい、と思っていたところにこの写真を見て、考えを改めた。撮影者は外国人かと思ったら、どうやら日本の方のようだ。

 

みなさんのオススメFlickrフォトグラファがいたら、ぜひご紹介ください。

ライカIIIa、モノに対する一目惚れ

ATLAS

Leica IIIa, Summicron f = 5cm 1:2, ILFORD FP4 PLUS

ライカIIIaとの出会いは、劇的だった。

自分のフィルムカメラライフは、ニコンFから始まった。F自体には全く不満がなかったのだけれども、フィルムカメラの宿命として、フィルムを一度装填してしまうと、撮り終わるまで交換できないのが欠点だった。カラーで撮っている時に、明日はモノクロで撮りたいな、という時がある。そんな時の2台目には、レンジファインダーのM型ライカがいいなと、ぼんやり考えていたのだけれども、値段を見て躊躇していた。

そんなある日、恵比寿の小さなギャラリーに、写真を見に行く機会があった。展示されていた写真は全て黒白で、撮影された時代背景と合わせて、なんとも言えないダークな雰囲気を醸し出していた。

写真そのものも素晴らしいけども、どういった機材で撮られたのかも気になります、というようなことを、ギャラリーのスタッフの方と話していたら、そこから歩いてすぐのところにある、クラシックカメラ専門店を紹介してくれた。

親切にも、手書きの地図まで書いていただいたので、お店には迷うことなくたどり着けたのだけれども、本当にここがお店なのかと、入る時に躊躇してしまった。入り口は普通のマンションなのだ。

Foto:Mutori -Seller of Vintage Camera & Lenses-

店内に入ると、クラシックな棚に、光学アンティークが所狭しと並んでいた。35mm版のカメラやレンズには、それなりに詳しくなっていたつもりだったけれども、そこに並んでいるものは、見たことも聞いたこともないカメラやレンズたちだった(ぜひ、上記のウェブサイト並びにFacebookのページを見てもらいたい)。

そんなアンティークカメラに囲まれて、棚の中にポツンと置かれていたのが、ライカIIIaだった。ライカのM型は知っていたけども、このバルナック型というものは、ちょっと見たことがあっただけで、ほとんど知識がなかった。が、見て、触って、ファインダーを覗き、斬新なピント合わせを試し、その重厚な作りと、お店で見せてもらった作例で、一気にファンになってしまい、3日間、きちんと悩んで購入した。

店主の方が言うには、なんとこのライカIIIaはパリで仕入れてきたものらしい。自分がパリに持って帰ってきたことで、最低でも日仏間を1往復したわけだ。今では、主に黒白フィルムを入れて撮っている。

お題「カメラ」

フェルメールの光、写真よりも光画

Like Vermeer

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, KODAK EKTAR 100 @Prague (Praha)

ヨーロッパを旅していて気がつくのは、西洋絵画は、やはり西洋の環境が生んだものだ、という当たり前のことだった。例えば、風景画なんかに描かれている雲は、同じような雲を見ることができるし、フェルメールのような光の入り方なんかも、よく遭遇する。

プラハのお城に行った時に、窓から入る光がいかにもフェルメールっぽくて、フェルメールの絵画のような雰囲気の写真にならないかなと期待して撮ったら、意外にも、かなりそれらしく撮れて嬉しくなってしまった(水平は取れていないし、構図もひどいものだけれども)。

油絵でこの光を出そうと思ったら、何年もの修行が必要だろうけども、写真なら、タイミングさえ合えば、誰でも綺麗な光を捉えることができる。こういった写真が撮れると、写真を「光画」と呼びたくなるものだ。

イマイチな写真、自分の感性と他人の感性

Light and dark

Nikon F, NIKKOR-H•C Auto 50mm f2, FUJICOLOR SUPERIA X-TRA 400 @Paris

FacebookやFlickrでも、撮影した写真を上げている。もちろん、ほとんどの写真が、自分が気に入って上げているものだけれども、時々、数合わせというか、気まぐれというか、そんなに思い入れのない写真をあげることもある。

この記事の写真は、そんな写真の一つだ。これは、以前住んでいた部屋に付いていたセントラルヒーティング。どうして撮ったのかも覚えていないが、おそらく、たまたま目について、試し撮り的に一枚撮ったものだろう。

写真フォルダを見返してみると、何回もこのヒーターを撮っているので、無意識に試し撮りに使っていたようだ。ちなみに、下記のエントリーの写真も同じ被写体だ。

そんな写真をどうしてFlickrに上げたのかも、これまた覚えていないのだけれども、予想に反して、それなりのViews、Favesをもらった(一枚写真を上げれば、数万Viwes、数百Favesというフォトグラファと比べたら微々たるものだけれども、世界のどこかの全く知らない誰かに、アマチュアの自分の写真を見てもらえるというのは、ものすごく楽しい)。

自分の意図と違って解釈されることは、一般的に悪い結果を生むことが多いけれども、こういった、いい方向に転ぶこともあるのだな、と実感した一枚だ。これからも、自分にとってはイマイチ、という写真も、ちょくちょく上げてみようかと考えている。もしかしたら、自分とは違った感性を持った人が、その写真を楽しんでくれるかもしれない。

© 2016 SAKAI Hiroshi